計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー


「梓さんは文学部か、

俺はそういう分野は

分からないけど話を聞いてみて興味深くなったよ」


「そ、そうですか…?」


頑張れ!梓ちゃん、玲子ちゃん!

会話が止まってるよ…。


相当好きなんだろうね、

でも他の参加者たちが

悲しそうにしちゃうし

(呼ばなきゃよかったのに)ね。


「ちょっと、化粧室行ってくるね!

ママに帰るの遅くなるって電話してくるよ」


遅く帰るなんてつもりは到底ないんだけどね。


「待って、俺もトイレに行くから」


後ろ姿から王子様オーラがある彼は

まだ顔は見ていないけれど、

二人の狙っている人だし、避けないと…。