今だって、それは変わらない…

 あたしは一生こんな生き方しかできない…

 獲物が逃げれば追い掛けたくなる。でも、追われれば逃げなくなるの…

 あたしは、あまのじゃくだから、あたしの元に生まれて来ちゃダメだよ。

 今、あたしはあなたの命を消そうとしている。あたしは、自分の未来のビジョンが何もない。そんなあたしが、ひとつの命の責任を持てるかと問われれば
、答えは"NO"。

 あたしみたいな人間がまた生まれてはいけないの。たとえ先生があたしを信じてくれると言ってくれたとしても、あたしは自分を変えることが出来ないと思う。

 だって、自分を信じてないんだもの。
 だから…
 さよなら……



 病院で夜を明かした深空は、鉄分のサプリメントを処方され病院を後にした。明け方に見た夢が、深空の決心を固くしていた。

(さよなら… か…)

 決して寂しいわけではない。後悔しているわけではない。

 ただ、深空のその決定が正しいのかどうかは、彼女自身解らなかった。