「深空…」

 彼女を呼ぶ甘い声…

 静かな夜。闇に包まれたその部屋の中には、ふたりだけ。

 ベッドに横たわり、お互いの体温で温もりを分け合うように身体を寄せ合っていた。

「愛してる……」

 彼女を包み込むその腕は、意外にも筋肉が程よく付いていて、力強かった。
彼女は、そんな彼の腕が大好きだった。

「…うん」

 彼の暖かい腕の中で、まどろむ深空…



 もう決して離れない……
 ここが、あたしの帰る場所……