(…どうして? まさか……?!)
 
嫌な予感が、稲妻のように彼女の中を突き抜けていく。最悪の事態を思い描いていた彼女は、落ち着こうにもそれは不可能に近かった。彼女がベッドの上でそわそわしていると、部屋のドアがパタンと開いた。音がした方に視線を走らせる。

「あ、気付かれたんですね」

 白い白衣を身につけた看護師が笑顔で病室に入ってきたのだ。

「小さな女の子と、男の人が一緒だったんですけど…!!」

 深空は訴えかけるように、その看護師に尋ねていた。

「男性の方は、頭の傷からの出血が酷くて、検査しています。小さな女の子は
、煙を吸い過ぎて、まだ意識が戻らないんです」

 看護師の言葉に、深空は目を見張った。

(深雪は、意識不明…?)

「後で、警察の方が事情を聞きにこちらに伺うそうですから…」

 看護師はそう言いながら、深空に体温計を渡した。

「体温が測り終えたら、血圧測りますね」

 深空は、黙って渡された体温計を腋に挟んだ。