あたしの腕を掴んだその手の温もりが、どこかで感じたことのある懐かしい匂いを放っていた……

 意外とたくましいその腕に、あたしは何度も抱きしめられたことがある。

 やっと捕まえたというのに…

 またすり抜けていってしまうんだね…

 待って

 待って……!