LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

 支度を終えると、ふたりはバタバタしながら、家を出る。深空はしっかりと深雪の手を繋いでいた。駅のそばの保育園に深雪を預けた後、深空は一人で電車に乗り、職場に向かう。その道中、昨日の夜のことを思い出さずにはいられなかった。

 窓を打ち付ける雨。起きたときよりも強く、まるで彼女自身の心を映しているようだった。

(本当に虚しくなるだけだった…)

 どうにもならない現実に、深空は苛まれるばかりだった。

(あの人のことは、もう忘れるしかない…)

 きゅっと唇を結び、前を見据える深空。

 ジメっとした不快な車内。そんな車内で、彼女はその鉄のように重い体を、電車の揺れに預けていた。

 もう、彼に会うこともないだろう…

 深雪を産むことを決めた時から、ふたりで生きていく覚悟を決めたのは、紛
れも無く深空だ。

(もう、変な希望は持たない…)

 そう強く思うことで、彼女は自分自身を保っていた。