LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

 運命のいたずらはどうしてこんなにあたしを苦しめるの…?

 やっぱりあたしは生きてきてはいけなかったの?

 この人と出会わなければ…

 あの時スイッチが入らなければ……

 あの時、本屋になんか寄らなければよかったんだ…



 そんなことすらも恨めしく思う。

(今更そんなこと思ってもしかたないけど…)

 はぁ、とひとつ、溜息をつく。その時、ちょうど彼の電話が終わったようだった。通話の切れた携帯を見つめ、黙っている。深空は、小さく笑い口を開いた。

「…もう帰った方がいいよ。引き止めたりしてごめんなさい」

 すっかり元の姿に戻った彼女は、無造作に脱いであった彼の服を集め、渡す
。それを黙って受け取った雄二は、俯いたまま服を着はじめた。

「元気でね…」

 玄関先で小さく手を振る深空。そんな彼女の顔を、やり切れない表情で雄二は見る。