一週間前のあの日。深空と雄二がふたりで飲んだ日の夜…

 あの日の夜は、深空にとって特別な夜となったのだった。

 月明かりの下で二人の影が重なった後、同じベッドの上で一夜を過ごしたのだ。

 ただ快楽をお互いに求めていただけなのか、寂しさを埋めようとしただけなのか、愛されていたのか… 深空にはよくわからなかった。

(酔った勢いって、あぁいう感じなのかな…?)

 ついほくそ笑み、深空は思う。

(でも、男の人の胸は嫌いじゃない)

 あの夜にどんな意味があったのか、彼女自信、答えなど見つける気などサラサラなかった。

 そう。彼女にはそんなことなど関係ない。

 ゲームを楽しめれば、それでいいのだ。

 あの夜以降、深空から雄二に連絡することはなかった。しかしそれは彼女にとって重要ではない。なぜなら、ゲームに勝った確信があったからだ。放って置いても、向こうから何かしらアクセスがあるはずだ。彼女はそう踏んでいた。それも彼女の楽しみのひとつだった。