空を見上げれば、厚い雲に覆われた、今にも雨が落ちてきそうな一面の白。そんな雲間から射す、一筋の光…

(…それでも、生きていかなくちゃいけないの?)

 地面へと伸びるその光を見たとき、彼女の頬には一筋だけ、涙が流れ落ちたのだ。

(どうして、そんな酷なことを…)

 そう思いながらも、深空はその光から目を離すことができなかった。

 やがて雲が流れ、雲間は閉じられ光は消えていった。傷付いた心を引きずりながら、深空は歩く。どこまでも、どこまでも……