「だけど、それでもいい。それでもいいの」

 一呼吸置き、彼女は続けた。

「あたしが全部許せば… 一緒にいられるんだから」

 深空は雄二の目を見つめ、笑った。

 彼は彼女のその笑顔を見て、思い出していた。深空が貧血で倒れ、救急車で運ばれた後、妊娠が発覚した時のことを…

 あの時も、深空は笑った。何もかもを抱え込み、一人で何とかしようとする彼女に、彼が抱いた無念は今も忘れることはなかった。

 また繰り返すのか…?

 今度は自分の身勝手で、まだどことなく幼さを匂わす深空を縛り付けるのか…?

 彼女の気持ちに甘えて、家族の幸せを取るべきなのか…?

 本当に連れていくべきなのか…?

 いや、それよりも……

 俺は、昔に還りたいのか…?