LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

「あたしは…」

 深空がそう言いかけた瞬間、目の前のガラスのテーブルに拳を力一杯叩きつけた雄二が、肩をブルブルと震わせていた。その感情的な雄二の姿を受けて、深空は思わず口をつぐんだ。

「…なんで自分を偽るんだ」

 彼のその搾り出すような震えた声で、深空は雄二が怒りで震えていると知る。

「…なんでそんなに自分を殺そうとするんだよ…?」

 しかし、彼の頬はキラリと小さな光りを放ったのだ。

(…怒ってるんじゃ、ない……?)

 深空は、目の前の彼に驚きながらも、その彼の感情を探っていた。

「…そんなの、先生を好きだからだよ。あたしはもう離れたくない… 理由なんか、難しくな…」

「深空」

 彼女が答え終わる前に、雄二はそれを遮った。そして、彼女の目を見つめ、改めて口を開く。

「…聞いてくれ」

 深空がうなずく前に、雄二は静かに切り出した。