部屋に戻り、雄二と深空は向かい合って座っていた。
エアコンが部屋を温めるために、すごい音を立てて唸りをあげている以外、この部屋の中は静かだった。
「…あの……」
雄二と目を合わせることのできない深空は、目を伏せたまま切り出した。
「陽菜さんの… 無理に捨てなくてもいいから…」
深空のその発言に、雄二は眉をひそめていた。
「陽菜さんのことも含めて、先生を受け入れなくちゃいけないのに、それができていないあたしが悪いんだよ。あたしが気にし過ぎだっただけだから… もう大丈夫だから…」
深空は決心するようにゆっくりとうなずき、顔を上げた。すると、雄二の目は怪訝な色から驚きに変わり、深空の目を見つめていた。彼女は、拙い表情でさらに続ける。
「あたし、ちゃんと頑張るから… 先生の実家に行っても、もう気にしないから… お義母さんがどんな人かも分かってるし、みんなと仲良く暮らせるように、努力するから… だから…」
雄二には、それはもう想いをつなぎ止めようと必死になっている様にしか移らなかった。
(それじゃぁ、まるで…)
雄二は、そんな彼女の必死な姿を見て思わず目を伏せ、強く首を振った。それでも深空は一生懸命訴えていた。彼女がそうすればそうするほど、彼は激しく首を振る―
エアコンが部屋を温めるために、すごい音を立てて唸りをあげている以外、この部屋の中は静かだった。
「…あの……」
雄二と目を合わせることのできない深空は、目を伏せたまま切り出した。
「陽菜さんの… 無理に捨てなくてもいいから…」
深空のその発言に、雄二は眉をひそめていた。
「陽菜さんのことも含めて、先生を受け入れなくちゃいけないのに、それができていないあたしが悪いんだよ。あたしが気にし過ぎだっただけだから… もう大丈夫だから…」
深空は決心するようにゆっくりとうなずき、顔を上げた。すると、雄二の目は怪訝な色から驚きに変わり、深空の目を見つめていた。彼女は、拙い表情でさらに続ける。
「あたし、ちゃんと頑張るから… 先生の実家に行っても、もう気にしないから… お義母さんがどんな人かも分かってるし、みんなと仲良く暮らせるように、努力するから… だから…」
雄二には、それはもう想いをつなぎ止めようと必死になっている様にしか移らなかった。
(それじゃぁ、まるで…)
雄二は、そんな彼女の必死な姿を見て思わず目を伏せ、強く首を振った。それでも深空は一生懸命訴えていた。彼女がそうすればそうするほど、彼は激しく首を振る―



