LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

「…もっと話をした方がいいよ。絶対」

 いつの間にか、夏美は深空の目をしっかりと見つめ、その口調には力が込められていた。

「…夏美。あたし…」

 そんな強い眼差しを向ける夏美から、深空は避けるように下を向く。

「…あたし…」

「うん、どした?」

 スープを啜りながら夏美はうなずく。深空は肩を震わせていた。



 彼のことを信じていないわけではない。

 そう。それなのに……

 どうしてちゃんと信じてあげられないの……



(あたしはきっと、"信じてる"なんて思いながら、"信じてる"気になってるだけだったのかな…)

 自分の、やってはいけないあの行動に深空はひどく後悔していたのだ。

 失うくらいなら、見なければよかった…

 自分の懐の狭さを痛感していたのだった。