やがて季節は節分をを迎え、寒さが厳しい季節へと移ろいでいた。

 心待ちにしている春へと、時は確実に進んでいた。

 一緒に住みはじめた深空と雄二は、そんな春を待ちたがら、平和な時を過ごしていた。

 いつものように目覚めると、隣には好きな人がいる。カーテンの隙間から射す朝日を受けて、彼の白い肌がさらに輝いて見える。

 やがてその光に誘われるように、雄二は薄く目を開けた。

 「おはよ。コーヒーでも飲む?」

 深空は彼にニコっと笑いかけ、ベッドから降りようとする。そんな彼女の腕をそっと掴み、雄二もニコッと笑う。そしてぐいっと自分の体に引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。

「…毎日、これ、するの?」

「不満?」

 ふっといたずらに笑い、雄二が尋ねる。深空は、素直に首を横に振った。

「じゃ、いいじゃん」

 雄二は再び深空の体を抱きしめた。深空はそんな彼の胸の中で、顔を真っ赤にして彼のペースに巻き込まれていた。追い掛けたらすぐに捕まえられる彼との距離に、ふわふわした感覚が彼女を取り巻いている。天井を突き抜けて、飛んでいってしまいそうだった。