繋いだ手は、とても温かかった…

 本当の雄二と再会できた、深空の一番に頭に浮かんだ想いだった。

 人がまばらである下りホームで、しっかりと手を繋いだふたりは、ちょうど駅に入ってきた電車に乗り込んだ。会話は特に必要とせず、ただ繋いだ手の温もりだけを、お互いにひしひしと感じているだけで十分だった。

 まだ時間的にそれほど混んでいない車内。ふたりは、朝日の直射を避ける席を選び並んで座る。その時も手はしっかりと繋がっていた。

 向かいの窓に見えるのは、浅いブルーの空。その爽やかな空の色は、今の彼等の軽やかな心を写しているかのようだった。