なんとか戻り、深空は雄二の部屋のドアノブに手をかけた。ドアの脇の小窓からは、何の光も見えなかった。とても誰かいる気配が感じられないのだ。
誰もいないと解っている今、握ったドアノブを右に回す気になれない…
深空は、躊躇した。しかし、グズグズしているわけもいかない。彼女は、思いきって、ドアノブを回して、手前に引いた。
(開いてる…)
しかし、そのドアの隙間から中の照明の光が外へ漏れ出すこともなく、ただ自分が慌てていたために鍵を閉め忘れただけだった。
(靴、無いか… やっぱり…)
中には誰もいないということを完全に理解した深空は、静かに中に入る。玄関を上がると左手に、小さなキッチンがある。さっきまで、深空がここで料理をしていた、キッチンだ。コンロには、さっき作った野菜スープの入った鍋がある。その冷たくなった鍋の蓋を取り、深空はお玉で掻き混ぜた。お玉を放すと、深空はソファに座り、雄二からの連絡を待つのみであった。
誰もいないと解っている今、握ったドアノブを右に回す気になれない…
深空は、躊躇した。しかし、グズグズしているわけもいかない。彼女は、思いきって、ドアノブを回して、手前に引いた。
(開いてる…)
しかし、そのドアの隙間から中の照明の光が外へ漏れ出すこともなく、ただ自分が慌てていたために鍵を閉め忘れただけだった。
(靴、無いか… やっぱり…)
中には誰もいないということを完全に理解した深空は、静かに中に入る。玄関を上がると左手に、小さなキッチンがある。さっきまで、深空がここで料理をしていた、キッチンだ。コンロには、さっき作った野菜スープの入った鍋がある。その冷たくなった鍋の蓋を取り、深空はお玉で掻き混ぜた。お玉を放すと、深空はソファに座り、雄二からの連絡を待つのみであった。



