LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

 繰り返される、ニュース速報…

 突如映し出された、あの見慣れた駅の光景を目にした時、事態の深刻さを嫌でも痛感する。

「…っ…」

 言葉が出ず、頭の中が徐々に色を失い、真っ白くなっていく…

(で、電話…!)

 放心からすぐに我に返る。深空は震える手で携帯を手に取り、すぐに雄二に電話をかけた。

 しかし、呼出し音すらも鳴らず、すぐ留守電に繋がってしまうのだ。

(なんで… まさか… 嘘でしょ…?)

 深空は、部屋を飛び出していた。上着も着ずに、なにも考えずにただひたすら走る―

 街を歩いている人を何人も抜き去り、凛と冷える星空の下を身重であることも忘れて…

 月明かりは、そんな深空を照らしていた。

 聖なる夜に鳴り響いたのは、鐘ではなかった……。誰もが信じたくないその衝撃は、日本中を駆け巡っていた。