◇ 「嘘をついていた事、悪かったな」 さっきから誤ってばかりだなと、思って可笑しくなる アレンもそう思ったのか、ふっと笑って私の頬を撫でた 「ソフィアって名前の事?」 そうだ。と思って、小さくコクンと頷く ――そう 私の本当の名はレイア この国の王女 ソフィアという名は――― 「私の母様の名だ」 「母上の?」 咄嗟に嘘をついたのは自分自身なのに、本当は辛かった 母様の名前で呼ばれる度に、優しかった母様の事を思いだして この花畑の様に、芳しかった 母様を思い出して