My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ










「嘘をついていた事、悪かったな」



さっきから誤ってばかりだなと、思って可笑しくなる

アレンもそう思ったのか、ふっと笑って私の頬を撫でた





「ソフィアって名前の事?」



そうだ。と思って、小さくコクンと頷く



――そう

私の本当の名はレイア

この国の王女


ソフィアという名は―――





「私の母様の名だ」

「母上の?」




咄嗟に嘘をついたのは自分自身なのに、本当は辛かった

母様の名前で呼ばれる度に、優しかった母様の事を思いだして



この花畑の様に、芳しかった

母様を思い出して