My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ






一度大きく風が吹いたのを合図に、アレンの秀麗な顔が近づいてくる



初めて交わす口づけに、息もできない程胸がいっぱいになる

熱を持った、その柔らかいものに触れる度

胸が押し潰されそうになる



触れ合うだけだったのに、徐々に激しさを増す口づけに、体の芯が麻痺してくる

体の力が入らなくなる





「ア..レン...待って」



思わず身じろぎすると、アレンの唇が微かに離れて、やっと息ができる

それでも、熱い吐息の下でアレンの熱っぽい声が聞こえる




「じっとして」

「――んっ」

「夢じゃないって、確かめさせて」



そう言って、また塞がれる唇

温かいものが口の中で動き回って

ゾクゾクと体が疼く