My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ




「顔を上げて? レイア」




恥ずかしそうに俯いた彼女に、そう言う

それでも一向に顔を上げない彼女の細い顎先を掴んで、そっと上に向けた



目に映るその姿が、まるで幻の様に美しくて思わず目を細めた



風に乗って香る彼女の花の様な香りが胸を締め付ける

美しい金と銀の髪が舞う

溢れてしまった気持ちが、もう抑えきれない




「君が愛おしくて、堪らないんだ」




真っ赤に燃えるこの気持ちが

彼女に伝わるといい


すべてを捨てても

彼女が欲しいと思ったから




真っ直ぐに言った俺の言葉を聞いて、微かに目を見開いたレイア

それでも一度瞳を伏せてから、小さな唇でゆっくりと言葉を紡いだ





「――私も...愛しくて、たまらぬ」




ゆっくりと瞳を上げて、答える様にふっと微笑んでそう言ったレイアの言葉に、目頭が熱くなる

必死に掴んでいた理性が抑えきれなくなる