「顔を上げて? レイア」
恥ずかしそうに俯いた彼女に、そう言う
それでも一向に顔を上げない彼女の細い顎先を掴んで、そっと上に向けた
目に映るその姿が、まるで幻の様に美しくて思わず目を細めた
風に乗って香る彼女の花の様な香りが胸を締め付ける
美しい金と銀の髪が舞う
溢れてしまった気持ちが、もう抑えきれない
「君が愛おしくて、堪らないんだ」
真っ赤に燃えるこの気持ちが
彼女に伝わるといい
すべてを捨てても
彼女が欲しいと思ったから
真っ直ぐに言った俺の言葉を聞いて、微かに目を見開いたレイア
それでも一度瞳を伏せてから、小さな唇でゆっくりと言葉を紡いだ
「――私も...愛しくて、たまらぬ」
ゆっくりと瞳を上げて、答える様にふっと微笑んでそう言ったレイアの言葉に、目頭が熱くなる
必死に掴んでいた理性が抑えきれなくなる



