「―――‥本当にそれだけで?」 どこまでも透き通った声が、私の心に響く 私の本当の想いに やはり分かっているか。と思って小さく息を吐く 私の気持ちなど、この男には手に取る様に分かるのだろう 幼い頃からずっと側にいるのだ 分かって当然かもしれない ――そう 礼を言いたいなんて、ほんの口実にすぎない アレンに会う為の口実に 彼と会わなくなって、私の心は寒さに凍えている あの温かい笑顔や あの温かい手に触れたい 会いたくて 会いたくて たまらない