「お前の物語も、ここで終わりだ」



その姿を見下ろして、そう言う

そんな俺を、息をするのもままならないゼファーが睨みつける




「俺はっ――諦めないぞっ」

「――」

「俺は神に認められた男だっ――世界を我が手にするまでっ――」




そう言って再び立ち上がろうとしたゼファーに剣を振るう

それと同時に、血の海に沈むゼファー

そして、そのまま動かなくなった



その瞬間、周りにいたガスパル達が一斉にどよめきたつ

カランカランと剣が床に落ちる音が響いた




「ゼファーが‥ゼファーがやられたっ!!!」

「逃げろっ!!! 王がやられたっ!!」

「逃げろっ!!」



今まで戦っていたガスパルの軍勢が、潮を引く様に一斉に森へと駆けていく

黒い影が光から逃れる様に



「逃がすなっ!! 森の手前で捕らえろっ!」



そんな俺の声を聞いて、こちらの軍勢がガスパルを追って駆けていった




そんな中、持っていた剣を投げ捨てて

駆けていく



色の落ちた、この世界の中でも

唯一輝く、その人に向かって




「レイア!!」

「アレン!!」



ぶつかる様にして抱き締め合った俺達

今にも折れてしまいそうな体を強く抱きしめて、その髪に顔を埋めた