ジリジリと太陽が背を焼く

時間が止まった様に、お互い睨み合う

それでも




「愛の物語は、ここで終わりだ。王子」




ニタリと笑ったゼファーが彼女の首にかかる剣をぐっと手元に近づける

ツ‥と白い首筋から一筋の血が流れる



「アレン」



すると、目の前にいるレイアが小さく俺の名を呼んだ

ターコイズの美しい瞳が俺を見つめている




「信じろ。あの夜の事を」




そう言って、微かにと微笑んだレイア

訳が分からず、ただ真っ直ぐその姿を見つめる



そして、次の瞬間



レイアが胸元にすっと手を入れて、キラリと輝く何かを取り出した

そして、それと同時に辺りに響くゼファーの呻き声



その反動で弾き飛ばされたレイアが地面に倒れ込むと同時に

真っ赤に染まる腹を押さえるゼファーに斬りかかった




一瞬のうちに世界が赤に染まる




黒いローブを宙にたなびかせて、ゆっくりと崩れ落ちていく

そして、ドサリと倒れ込んだゼファー




一気に広がる血の海