暗闇の中に溶け込む様な、ゼファーの瞳が怪しく輝く
ゆっくりと細められた瞳が俺を絡め取る
「お前にも見せてやりたかったなぁ」
睨み合う様にして間合いを取った瞬間、舌なめずりしながらゼファーがそう言う
返事をする事なく、構えを崩さずに睨みつける俺に向けて再び声を落とした
「炎の中で輝く黄金の瞳。憎悪に満ちたその瞳が閉じられていく、その瞬間を――」
その言葉を聞いて、ドクリと心臓が鳴る
幼い頃から見る、炎に満ちた世界の夢
「――お前が...」
微かに擦れた声が、世界に頼りなく落ちる
すると、その声を聞いてニタリと笑ったゼファー
「そうだ。お前の両親を殺したのは、この俺だ――側近だった俺を信じきっていた愚かな王族どもの、あの顔は圧巻だったな!!」
「貴様っ!!」
ゲラゲラと下品な笑い声を出すゼファーに勢いよく斬りかかる
激しく剣の交わる音が、止めどなく世界に響き渡る
そんな中、一瞬世界の端で微かに聞こえた声
ゼファーも同じ事を思ったのか、チラリと横目で声のした方を見る
同じ様に、その先を追うと暗闇の中で輝く姿が目に入った



