「この世界は俺のものだっ!!」
「――」
「今や、この世界で生き残っているとされている竜族は、俺ただ1人――刃向うものはおらず、世界最強の騎士の元にこれだけの軍が集まった」
ケラケラと狂った様に笑って、辺りを見渡すゼファー
その姿を見つめながら、剣を強く握る
「俺は神に選ばれた男だっ! 世界を纏め上げ、竜族の時代を再びこの手で作り上げるのだっ!!」
高らかに天を仰いでそう言うゼファー
まるで、世界の頂点が自分である事を誇示する様に
そして、ゆっくりと瞳を下ろして俺を見つめた
一気に張りつめた空気が世界を覆う
そして、ニタリと口角を上げたゼファーがゆっくりと口を開いた
「生き残りは、1人で十分だ」
そう言った瞬間、目の前にゼファーの姿が飛び込んでくる
勢いよく交わった剣から飛び散る火花
血走った瞳が俺を見つめている
「滅びるのはお前の方だっ」
「はっ! いきがった口をきくな! 国1つ守れなくて、何が竜族の王子だ!!」
「俺はこの国を必ず救ってみせる。お前を葬ってなっ!!」
勢いよく剣を押して間合いをとる
それと同時に剣を構えて斬りかかる
それでも、さすが竜族
俺の動きにも動じずについてくる



