ガチガチと剣が交わる中、吐き捨てる様に男の名を呼ぶ
忌まわしい男
竜族の敵
両親の敵
すると、一度剣を押して、間合いを取ったゼファー
俺の姿を見て一度大きく瞳を開けた後、すぐに軽薄な唇を持ち上げて俺を見つめた
「これは驚いた。王子が生きていたとは」
そう言って、おどけた様に微笑んだ後ケラケラと笑いだしたゼファー
しかし、その瞳は少しも笑っていない
「アレン王子の遺体が見つからなかった事をずっと不思議に思っていたが――まさか生きながらえていたとは」
「王が国が滅びると分かって、俺だけを逃がしたんだ」
「クククッ。あの男の考えそうな事だ」
どこか嘲笑うかの様にそう言って、大きく剣を振り、血を吹き飛ばしたゼファー
その姿はまるで死人の様に生気が感じられない
すると、伏せていた瞳を上げて俺をじっと見つめるゼファー
そして、ゆるゆると頬を上げて微笑んだ
まるで、心の底から楽しいといった様に
「その顔を見ていると、思い出すよ。あの日の事を」
「――何の話だ」
「我が国を滅ぼした日だ。炎に燃える世界の中で散っていく者達。世界最強と謳われた伝説の竜族の王が滅んでいく姿――世界が俺の手に落ちた瞬間だった」
顔を綻ばせたゼファーが天を仰いで高笑いする
不気味なその声が辺りに響いて、世界を震わせた



