My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ




「ありえないっ! 竜族は滅びたはずだっ!!」



悲鳴にも似たゼファーの声が辺りに響く


その視線の先には竜族の象徴でもある黄金の旗が、風に揺れてなびいている

その光景を見て、古くから伝わる伝説を思い出す




―――〝君の国が敵に脅かされる事があれば、必ず助けに来る″―――




輝く太陽を背にした竜族の軍隊

そして一瞬の静寂の後、世界は再び地響きの中に落ちた



雄叫びと共に森の中から飛び出してくる、おびただしい数の軍隊

それに向けて、ガスパルもゼファーの合図で突進していく



その光景を見て、再び剣を天に向けて指す




「この期を逃すな!!! 続け――っ!!」





そう叫んで、勢いよく馬を蹴る

再び荒れ狂う嵐の中に飛び込んで、ただただ前に進んでいく




再び降り注ぐ

光の中へ