My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ



その姿を心の中に灯した途端、無意識に頬が微かに上がった



会いたい、と思った

涙が出る程、会いたいと




「さぁ、姫。答えを述べよ」




ニヤリと不気味に笑ったゼファー

私の敵

アレンの敵



だけど、私がここで頷けばみんな助かる

無駄死にする事はない

生きていれば、必ずいつかは光の中に出られる



ぐっと唇を噛みしめて、目の前の男を見据える

でも、その時不意にアレンの言葉が世界の端で聞こえた




――必ず、助けに来る




太陽の様に美しい黄金の瞳

風の様に舞う姿

決して揺らがない、言葉




〝信じるんだ。レイア″




――その瞬間、揺れていた心がピタリと止まる



閉じていた瞳をゆっくりと開けて、私の周りを囲む騎士達を見渡した

そして、ゆっくりと口を開く




「すまない、みんな。私と共に戦ってくれ」




その言葉を聞いて、騎士達が大きく頷く

下ろしていた剣を持ち上げて、真っ直ぐに敵に向け始めた




「どうやら、交渉は決裂の様だ」




その光景を見たゼファーが恐ろしい程の表情でそう吐き捨てた

そして、背にかかる漆黒のローブを翻して




「殺せ」




そう言った