ガタガタと怒りで体が震える
噛みしめた唇から血の味がした
そんな私を横目で見ながら、再び口を開いたゼファー
「それに応じれば、この国の女は助けてやる。それに慈悲深い私が、ここにいる男達だけは特別に助けてやろう。どうだ? いい話だろう?」
舌なめずりしながら、そう言うゼファー
血走った瞳で、生き残った騎士達を見渡した
「姫様っ! 耳を貸してはなりませぬっ」
「そうです!! どうせ、コイツ達は俺達を殺すつもりだ!」
「ここで生きながらえて、何になります!!」
ゼファーの言葉を聞いて、グレイスや騎士達が叫びだす
それでも、ゼファーの言葉がグルグルと回る
私が妻になれば、みんな助かる?
ここに生き残ったみんな、助かる
もし断れば――必ず殺される
ここにいる騎士も
隠れている民も
だったら―――
それでも、不意に1人の男が脳裏に浮かぶ
黄金の瞳を持った、風の様な男を



