My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ




「貴様っ!!!よくもっ!!」

「――よせっ!!」



ゼファーの笑い声が響く中、瞳に涙を浮かべた騎士が勢いよく弓を引いてゼファーに向けた

その途端に我らの周りを囲むガスパルが一斉に弓を我らに向ける




「よせ」

「しかしっ! 姫様! アイツはホリス様をっ!!」




そう言って、涙を流して歯を食いしばった1人の騎士

ポタリと落ちた涙は、枯れきった花の上に落ちた



下ろした弓を確認したガスパルが同じ様に弓を下ろす

その光景を見て、顔色1つ変えずにこちらを不敵な笑みで見つめているゼファーに向き直る




「何故、我らを殺さぬ」

「殺す事はいつでもできる。だが、1つ提案があってな」

「提案だと?」



ニヤリと笑って、私を見つめるゼファー

闇より暗いその瞳が私を絡め取る


そして




「我が妻になれ」

「――何だとっ!?」

「私は、いずれこの世界の王になる男だ。妻になる女はそれ相応の女でなければならない。お前は世界一の美女だ。まさに私に相応しい」



そう言って、天を仰いで高笑いするゼファー
まるでこの世のすべてが自分のものだと信じきっている様に




狂っている