「貴様っ!!!よくもっ!!」
「――よせっ!!」
ゼファーの笑い声が響く中、瞳に涙を浮かべた騎士が勢いよく弓を引いてゼファーに向けた
その途端に我らの周りを囲むガスパルが一斉に弓を我らに向ける
「よせ」
「しかしっ! 姫様! アイツはホリス様をっ!!」
そう言って、涙を流して歯を食いしばった1人の騎士
ポタリと落ちた涙は、枯れきった花の上に落ちた
下ろした弓を確認したガスパルが同じ様に弓を下ろす
その光景を見て、顔色1つ変えずにこちらを不敵な笑みで見つめているゼファーに向き直る
「何故、我らを殺さぬ」
「殺す事はいつでもできる。だが、1つ提案があってな」
「提案だと?」
ニヤリと笑って、私を見つめるゼファー
闇より暗いその瞳が私を絡め取る
そして
「我が妻になれ」
「――何だとっ!?」
「私は、いずれこの世界の王になる男だ。妻になる女はそれ相応の女でなければならない。お前は世界一の美女だ。まさに私に相応しい」
そう言って、天を仰いで高笑いするゼファー
まるでこの世のすべてが自分のものだと信じきっている様に
狂っている



