「少し休め、アレン」
小さく息を吐いてから空を見上げた俺に、不意に声がかかる
その言葉を聞いて、ふっと表情を緩めてから、視線を隣に向けた
「動いていた方がいいんだ」
近くにある大きな岩の上に座り込んでいる父にそうい言う
すると、小さく溜息を吐いた父がゆっくりと俺の隣に立って、眼下を見下ろした
「まだ足りないな」
「――あぁ。これではこっちがやられる」
「だが、待てるのは明日の朝までだ。アネモスが滅んでいては、挙兵した意味がない」
父のそんな言葉に胸がドクンと大きくなる
日々大きくなる不安
押し潰されそうなこの気持ちを振り切る為に、休む事なく動き続けている
「アネモスは――きっと持ち堪えてくれている」
ホリスと約束した
必ず3日後に戻ると
だから、きっと何があっても守り続けているのだと思う
あの美しい国を
彼女を―――
「王宮で今から軍議なんだ。父さんも共に」
「――あぁ」
だから諦めてはいけない
何が何でも、兵を集めなければ



