My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ



私の言葉を聞いて、まるで同意する様にコクンと小さく頷いたホリス

その途端にドクンと心臓が大きく鳴る




「ダメだっ! ホリス止めろっ!! 生きては帰れぬぞ!」

「分かっております。しかし、このままでは城はアレンが来るまで、もちませぬ」

「しかしっ!」

「アレンは必ず戻ってきます。それまで、ここと――あなた様を守らなければ」



強い眼差しは一つも揺るがない

もう決めたのだと。そう言っている




「――嫌だ...ホリス」

「先程の言葉をそのまま、姫様にお返しいたします」

「――」

「例え、最後の一人になったとしても、決して諦めないで下さい」




その言葉に、ポロリと一粒の涙が頬を伝う



行ってしまう

ホリスが――行ってします

二度と会えなくなってしまう




「私は、ずっと兄の背を追ってきました」

「――エル、の?」



唐突にそう言ったホリスの言葉に首を傾げる


私の兄様の側近をしていた

ホリスの兄、エル


優秀な男で、最後までこの国の為に戦ってくれた