「竜族の王家が生きているはずがない!! 殺せっ! こいつは我が王国に不幸をもたらすっ!!」



王宮に響くユアン王の声

その途端に周りを囲んでいた騎士達が剣を抜いて一気に襲ってきた



真っ先に近くにいた一人の男が、大きく剣を振りかざして俺に斬りかかってきたのを見る

それを横目に姿勢を一気に低くして、腰にかかる剣を抜いた



飛びかかってくる騎士達の間をすり抜けて、真っ赤な顔で俺を睨みつけるユアン王の元まで走り抜ける

すると俺の姿を見たユアン王が慌てて剣を抜こうとする



しかし、俺にとっては遅い―――




まさに一瞬の出来事

剣を抜く前に俺はユアン王の背後に周り、その首元に剣を突きつけた




ユアン王の微かな悲鳴と共に、辺りが一瞬にして静まりかえった





「もう一度、言う――招集に応えるのだ」





自分でも驚く程低い声でそう言い放つ

その瞬間、俺の姿を見た1人の騎士がドサリと床に倒れ込んだ




「そ、その瞳っ・・・!」

「あれはっ――伝説の黄金の瞳だっ」

「竜族だ! 間違いないっ! 王家の生き残りだっ!!」

「この国が滅ぼされるっ」



カランカランと床に剣が落ちる音がする

それと同時に床に平伏す騎士達



その光景を見て、ユアン王の首に添えてあった剣を離す

すると、力なく床に倒れ込んだ王



そして、俺の瞳を見て息を飲んだ