「世迷言を申すな。その招集をかけられるのは竜族の王家、グラディウス家だけだっ! どこの馬の骨かも分からぬ貴様ごときの言葉に応えられるかっ!」



顔を真っ赤にしたユアン王が俺に詰め寄って、そう言う

その姿を横目に一度頭を下げる


そして再び顔を上げたと同時に言葉を落とした




「我が名は、アレン=グラディウス」

「なっ、何だとっ」

「――竜族の王子‥いや、現国王だ」




静まりかえった部屋の中

皆俺の言葉を聞いて、目を見開く

そして



「あははははははっ!! とうとう気でも狂ったか若造! 竜族は滅びたのだ! 生き残っているのは、あの悪魔の国の王だけだ!」




腹を抱えて笑い出したユアン王

その姿を見つめながら王の目の前に、ある物をかかげる



真っ赤に燃える、炎の石を―――




「――こっ...これは! 竜族の王家のっ..なぜ貴様が持っている!!」




その石を見た瞬間、後ずさりしながら脅えた様に微かに震えるユアン王

辺りもその炎の石を見て、ざわめきたつ



「あの日――竜族が滅びた日、私は父によって国から逃れた。そして、今まで密かに生きながらえていたのだ」

「うっ...嘘だ!!」

「私は正統なる王位継承者。グラディウス家の者だ」

「竜族の王家が...生きているなどっ」

「――そなたに拒む権利はない。同盟の元に兵を集めるのだ」




俺の言葉を聞こうとせずに、ブンブンと頭を振るユアン王

そして、ギロリと俺を睨みつけた