My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ




「あなた様は民を率いて、再びアネモスを築くのです――それが、王家の役目」

「――」

「アネモスの血を途絶えさせてはいけない。例え故郷を奪われようとも、生きるのです」




苦しげに瞳を歪めるホリス

それでも真っ直ぐに伸びる、その志は揺るがない




「――他に...道はないのか」




頼りない自分の声が伸びる

民や騎士達を盾にしてまでも、私は生きながらえなければならないのか



国が亡びるのに、王だけ生きているなど

滑稽ではないか



父様や母様、兄様は

その身を滅ぼしてまでも、この国を守ったというのに




「他に道はありません」




明かりを失った部屋にホリスの声が落ちる

他の騎士達も心を決めているのか、その瞳は揺るがない