My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ










「――他に案はないのですかっ!?」




悲鳴にも似た大臣の声が部屋の中に響く

しかし、その声すら誰も拾おうとはせずに、絶望の縁に立たされた様に皆俯いていた




「敵の数はおよそ7万――それに比べ、こちらの兵は残り8千。結果は見えている」




誰かが小さく呟いた言葉が、鉛の様に体にのしかかる


多勢に無勢


援軍が来ない我らの軍は、最早ガスパルの敵ではない




「もう一度、奇襲を掛けましょう!! 夜の闇に紛れて――」

「そんな事をしても、こちらの死者を増やすだけだ!!」



パッと顔を上げて、そう叫んだ騎士にホリスの声が重なる

そして、僅かな余韻を残して再び静寂が訪れた



時間だけが無常に過ぎていく

刻々と過ぎる時間が、死の匂いを強くする




――アレン




一度強く瞳を閉じて、心の中で呟く



どうすればいい

どうすれば...