◇
「――他に案はないのですかっ!?」
悲鳴にも似た大臣の声が部屋の中に響く
しかし、その声すら誰も拾おうとはせずに、絶望の縁に立たされた様に皆俯いていた
「敵の数はおよそ7万――それに比べ、こちらの兵は残り8千。結果は見えている」
誰かが小さく呟いた言葉が、鉛の様に体にのしかかる
多勢に無勢
援軍が来ない我らの軍は、最早ガスパルの敵ではない
「もう一度、奇襲を掛けましょう!! 夜の闇に紛れて――」
「そんな事をしても、こちらの死者を増やすだけだ!!」
パッと顔を上げて、そう叫んだ騎士にホリスの声が重なる
そして、僅かな余韻を残して再び静寂が訪れた
時間だけが無常に過ぎていく
刻々と過ぎる時間が、死の匂いを強くする
――アレン
一度強く瞳を閉じて、心の中で呟く
どうすればいい
どうすれば...



