My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ




「――アレン」




ゆっくりと俺の名を呼ぶ父

その瞳が真っ直ぐ俺を射ぬく




「兵を集めるのだ」




父のその言葉の意味を一瞬で理解する

俺の役目

俺にしかできない事





「竜族の王として、兵を集めるんだ」





――俺の名は、いわば甘い餌だ

この名の元に戦士たちが集まる



強大な力を持っていた竜族

それこそ、この世界の多くの国が竜族の支配下にあった

そこで結ばれる契約は1つ




互いの招集には、必ず答えよ―――




「国が滅びた今でも、竜族の影響力は計り知れない。それこそ、1つの国を簡単に動かせるほどのな」



ニヤリと父の唇が上がる



――〝勝つ方法が1つだけある″――




先程の父の言葉が甦る

その意味をようやく理解する




「竜族の王として、再びこの世に出るのだ、アレン」




ぐっと俺の両肩を掴んで、父がそう言った

一筋の希望と共に