「それは、昔の事でございます。今はあなた様を守るだけの騎士にございます」




落ちた言葉があまりにも冷たくて

少し寂しさが募る




「寂しい事を言うな」




思わず零れた言葉が

思い出のあの日と重なる



今も尚、美しく輝く思い出の

あの日と―――‥





『寂しい事を言うな』



私と兄様の前で平伏して、大人みたいな口ぶりで話すホリスに、そう言った



代々我が王家と、この国を守護している一族

ダグラス家


その長の息子である、ホリス

年が近い事もあって、8歳の誕生日の日から私に仕える事になった



その最初の日