My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ



思わず、ふっと笑う

もう俺の人生なんて、とっくに変わってしまっていると思って



彼女と、出会った事で――





「構わない」

「――」

「教えて、父さん」



真っ直ぐに父さんの目を見て、そう言う

すると、微かに瞳を細めた父



再び、長い沈黙が続く

何かを迷っている様に見える父だったが

ゆっくりと、口を開いた





「――‥私は、幼い頃から様々な国へ援軍として向かった。そのおかげもあってか、沢山の国の王達とも、友好な関係を築く事ができた」

「――」

「その中で、最も懇意にしていた国がある」

「どこ?」




父は人柄もあってか、沢山の国の王達と懇意にしている事は俺とて知っている

だから、思い当たる国は沢山あるけど...



首を傾げて問う俺の言葉を聞いて、ゆっくりと伏せていた瞳を上げる

そして






「竜族だ」



そう言った