思わず、ふっと笑う
もう俺の人生なんて、とっくに変わってしまっていると思って
彼女と、出会った事で――
「構わない」
「――」
「教えて、父さん」
真っ直ぐに父さんの目を見て、そう言う
すると、微かに瞳を細めた父
再び、長い沈黙が続く
何かを迷っている様に見える父だったが
ゆっくりと、口を開いた
「――‥私は、幼い頃から様々な国へ援軍として向かった。そのおかげもあってか、沢山の国の王達とも、友好な関係を築く事ができた」
「――」
「その中で、最も懇意にしていた国がある」
「どこ?」
父は人柄もあってか、沢山の国の王達と懇意にしている事は俺とて知っている
だから、思い当たる国は沢山あるけど...
首を傾げて問う俺の言葉を聞いて、ゆっくりと伏せていた瞳を上げる
そして
「竜族だ」
そう言った



