俺と父さんの間に流れる沈黙
世界が音を無くした様に、静まり返った
そして
「本当は、一生言わないつもりだった」
聞き取れない程の小さな声で父さんが呟いた
そして、ゆっくりと伏せていた目を上げて
訳が分からずに首を傾げた俺を見つめた
どこか悲しそうに
「今から私が言う事は、お前の人生を大きく変えるモノになる」
「俺の‥人生を?」
「あぁ。全く違う人生を歩む事になる――それでも、いいのか?」
確かめる様に、そう言って
俺の目をじっと見つめる父
大好きだった、あの海と同じ色の瞳に俺が映っている
俺の人生を変える?
父の言葉が上手く理解できない
でも、ただ分かるのは
それよりも、この国を助けたいという事
例え、俺の人生が変わってしまう様な事でも
この国を救えるのならば
それに、この先の未来なんて
このままいけば――



