溢れんばかりだった中庭の噴水の水が枯れている
落ち葉が風に流されて、足元に集まってくる
まるで、終わりの時を知らせる様に
「―――このまま、滅びるしかないのかっ」
叫ぶようにそう言って、頭を抱え込む
自分の非力さが、歯痒い
彼女を守りたいのに
この国を守りたいのに
俺には何もできない
守る事すらできない
「――‥1つだけ、方法がある」
そんな時、世界に零れた声
勢いよく顔を上げると、項垂れていた俺をじっと見つめる父がいた
「方法? ―――方法があるの!?」
思わず掴みかかる俺の姿を、変わらず見つめる父
そして、ゆっくりと瞳を伏せた



