「生き残った騎士の数は?」



空を見上げていた父に問う

本当は聞きたくなんてないけれど



「…相当やられた。半分までとはいかぬがな――相手の数が多すぎた。文字通り、多勢に無勢だ」

「――」

「あの時、王宮の中に撤収していなければ、全滅していたかもしれない」




そう言って、自嘲気に笑う父

でも、その言い分は正しい



あの時先発の騎馬隊に目を取られて、後から押し寄せてくる騎馬隊に気付かなかった

少し遅れていたら、俺達は死んでいた



そう思うと、ぞっとする




「でも、この王宮も長くは持たない」



自分の零した言葉が、酷く冷たい

まるで自分が現実にいないみたいに、他人事の様に聞こえる




「――もって、4日だろうな」



すると、父も同意する様にパンをかじりながら、小さく呟いた

そして、ゆっくりと俺の方に向き直って口を開いた






「この国は亡びる」