アレン―――




押し潰されそうな胸を押さえて、辺りを見渡す

私の腕を掴む騎士達の声も聞かずに、ただただ眼下で1人を探す



不安に押しつぶされそうな心を、ぐっと押さえながら

ただただ、その姿を探す



すると、森から駆けだしてくる1つの影が目に入る



真っ赤に染まった鎧を身に着け

銀色の髪の男と共に白馬に乗り、周りの騎士達を誘導しながら駆けてくる




途端に胸の中に空気が入る

安堵が胸いっぱいに広がって、目頭が熱くなる




「アレン...ホリス...」




零れた言葉は微かに震えていて、頼りなく揺れた

今すぐ駆け出したい衝動に駆られながら、ぐっと両手を握る




「急いで騎士達を王宮の中へ。入り次第、門を締めよ」




真っ直ぐに騎士達にそう言って、強く目を閉じた