「今日から、俺達は家族だ」



ニッコリ笑って、俺も父と同じ様にホリスの肩を叩く

すると、瞳を揺らしながら顔を俯かせたホリス



その美しい銀の髪が、柔らかく揺れる

そして




「――兄は私だぞ」




小さく呟いたホリスに、一気に胸が温かくなる

ゆっくりと頬が上がって、どうしようもなく嬉しくなった




「ダメだ、兄は俺だ」

「何を言う。そなたは兄の器ではない」

「ダメだ。俺、ずっと弟が欲しかったんだ」




いつもの様に、鋭い目つきで顔を上げたホリス

それでも、微かにその唇は弧を描いている




「どっちでもいいだろう、そんな事。それより、さっそく剣の稽古を始めるぞ」



豪快に笑って、俺達の間に割って入る父