My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ



「―――指導、を...」



暫くの沈黙の後、微かな声が風に乗ってやってくる

目の前には、猛烈に悔しそうなホリスが両手を握りしめて俯いている




「ん~? なんだって? 聞こえないぞ?」



そんなホリスを煽る様におどけて見せる父

本当に、どうしようもない



もちろんホリスの勘にも触り

もの凄い恐ろしい顔で俯いていた顔を戻した

しかし




「私に、そなたの知識を授けて欲しいっ!」




空気を震わせる様な、透き通った声がどこまでも響く

どこか怒りに任せて叫んだ様にも聞こえるが