「――体が戻り次第、この地を去る」



真っ直ぐに俺を見つめてそう言った父に、小さく頷く



この地を去る時は、父も共に――



そう言っていた自分の言葉を思い出す

本当はどこまでも父の背中を追いかけていたかった

たった1人の、俺の家族だから




「俺はどこにいても、父さんの息子だから」



例え、離れていても

生きる場所が違えど

俺は父さんの息子だ

その誇りを忘れはしない




「私の息子よ――」



すると、眉を垂らして微笑む父が俺の両頬を優しく包んだ

温かい手が俺の震える心を包む




「お前は私の誇りだ、アレン――どこにいても、お前の幸せを祈っている」



慈しむ様に俺の顔をじっと見てから

強く俺を抱きしめた父



その背に腕を回して、同じ様に抱きしめ返した




悲しみを

消し去る様に