だから、何が何でも彼らの期待に添いたい この国をもっともっと、よい国に 父様や母様、兄様が思い描いた 夢の様な国に――― 部屋から見えるレリーヌの滝を見つめながら、そんな事を思う すると コンコン 扉を叩く音が聞こえて、振り返る 「入れ」 短くそう言うと音も無く扉が開き、1人の男が扉の前に立っていた 「姫様。よろしいですか?」 「あぁ。何だ」 頭を下げたまま、そう言うホリス そんな姿に、少し寂しくなる