My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ



「答えろ」



訳が分からず茫然とホリスを見つめて立ち尽くしていると、眉間に皺を寄せて答えを急かすホリス




「――‥そう聞いているが」



今度は俺が訝しげな顔で、ホリスを見つめる

どう考えても、何故そんな事を聞くのか分からない




「聞いている、とはどういう意味だ」

「母は俺を産んですぐに死んだ。だから会った事はない」

「兄妹は」

「俺1人だ」



俺の言葉を聞いて、考え込む様に顎先に手を添えて黙り込んだホリス

こういった時の彼は、全く何を考えているか分からない

まぁ、そうじゃなくとも分からないのだけれども




「それが一体どうし――」

「そなたの父は」



モヤモヤした気持ちを抑えきれずに、ホリスに問いかけようとした時、言葉を遮られた