苦しい。なんで。 嗚咽を漏らしながら思う。 苦しいのは楓だ。泣きたいのは、 楓。なのに… これは、同情? 何故、何故、何故… 一人でどれだけ考えても分から なかった。這いつくばる様にして 靴を脱ぎ、自分の部屋へと急ぐ。 ケータイを取り出した。もう、 一人では答えは出ない。 プルル…プルル…ピッ 二回のコールで相手に繋がる。 「もしもし?瑠衣?」 「エイッ…カぁ…」 そう、電話の相手はエイカだっ た。