3組までダッシュで行く。まぁ、 すぐそこなんだけど(2年の教室は、 すべて2階にある)。 「美穂ちゃーん!! 数学の教科書貸してっ!!」 「瑠衣!珍しいね。数学? ちょっと待ってて。」 美穂ちゃんは、頭が良くて、姉ゴ 的存在。中学で3年同じクラスだっ たため、仲良くなった。 「はい、どうぞ。 今度は忘れず持ってきなよ?」 「うん。ありがとう。」 美穂ちゃんに手を振って1組へと 戻った。 その一部始終をある男に見られて いることなど、私は知る由もなかっ た。